Part2 材料と製造 : あなたのボードはどれだけ自然に優しいだろうか

2021.07.9

材料と製造

スノーボードを作る上での環境コストとは?

これは、JONES Snowboardsが生まれたその日から、私たちがスノーボードを作る上で自分たちに与える疑問です。

スノーボード作り始めたその日から、私たちは地球への環境インパクトを常に考えてきました。そしてJones Snowboardsとしてその環境インパクトを完全に定量化することは10年来の課題でもあり、持続可能なスノーボードを作ることに常にフォーカスしてきました。

2020年は私たちの作るスノーボードの持続可能性をさらに向上させ、製品が及ぼす地球環境へのインパクトを見直す最高の1年となりました。2020年5月には製造工場の電力供給元を100%太陽光へとシフトし、私たちの持続可能性はより確実なものとなりました。今回のエネルギーシフトに関しての詳しい情報はパート1をお読みください

さらに、私たちは製造から梱包、発送も含めたJones Snowboardsの完璧なライフサイクルの細かい分析に着手しました。ライフサイクルアセスメント(LCA)として知られている私たちのゴールは、製造する全てのスノーボードのカーボンフットプリントを算出することにありました。このLCAプロジェクトは企業の環境インパクトを分析する世界的な環境アセスメントカンパニーであるエコチェーンに協力を依頼しました。

私たちは1年間にわたりデータを分析し、エコチェーンと共に算出した結果を今回報告したいと思います。この情報は莫大な量であるため、LCAを5つの柱に分けて説明します。

パート2である今回のストーリーでは、材料と組み立てがいかにしてJones Snowboardsのモデルにおける持続可能性に影響するのかをご説明します。

素材の選び方とは?それはエコパフォーマンスへとつながります

2021シーズンにリリースされる41モデルにおいて、約60種類の材料が使用されています。リサイクルされたエッジやサイドウォールは全てのモデルに採用されていますが、カーボンなどの合成素材はAirheartやStorm Wolfなどの特定のモデルに採用されています。

スノーボードを構成する素材は各モデルの特性を左右する需要な要素です。遊び心タップリの乗り味が特徴のサーフシリーズでは柔らかいコアや超軽量のファイバーグラスを採用し、ハイスピードにおいて最強のパフォーマンスを発揮すべくウルトラシリーズでは固いコアと最新の衝撃吸収素材を採用しています。

私たちはエコパフォーマンスのデザイン理念のもと、各モデルに使用する材料を厳選しています。このデザイン理念はパフォーマンス、耐久性、そして持続可能性のバランスを追求するものです。これら各カテゴリーにおいて新しい素材をテストし、耐久性やパフォーマンスを犠牲にしない、最も持続可能な素材を選んでいます。自分たちの命を預ける道具であるからこそ、パフォーマンスを無視することはできません。また耐久性を考えなければ、持続可能なスノーボードを実現することは不可能でしょう。そのボードが長持ちすれば、必要なボードも少なくなる。そして捨てられるゴミも減るのです。

可能な限り持続可能な素材をテストし、その素材を製品に採用するプロセスは、Jones Snowboardsが創業した当初から採用しているリサイクルスチールエッジとABSサイドウォールに対するテスト基準から始まりました。リサイクル素材が従来の原材料からの素材と同等のパフォーマンスを発揮しなければ意味がありません。しかし全ての素材がこの基準のもとに選ばれているわけではないのです。

FlagshipやHovercraftをはじめとして、Jones Snowboardsの多くにウッドベニアトップシートが採用されています。ウッドベニアトップシートのフィーリングとエコパフォーマンスは素晴らしいですが、シンセティックトップシートもまた素晴らしいパフォーマンスを持っており、耐久性もより高くなっています。石油由来のトップシートに代わるハイパフォーマンスで持続可能性の高い素材を見つけるまで数年かかりました。度重なるテストの末、2016年にトウゴマを原料としたエコプラスチックトップシートにシフトしました。従来のプラスチック製トップシートに比べて耐久性も高く、カーボンフットプリントが格段に少ないエコプラスチックは、サーフシリーズ、Solutionそして多くのモデルに採用されています。

エコプラスチックやフラックスファイバー(亜麻繊維)そしてウッドベニヤなどの持続可能な素材を使用することへの追求は、石油由来のニスや有害な化学物質の削減にもつながりました。ニスを使わないということは、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できるだけでなく、発がん性が指摘されている物質を使ってボードを作る工場労働者がいなくなることを意味します。このようなWin-Winの成功は、持続可能な新しい製造技術の開発に向けて、私たちを全力で後押ししてくれます。持続可能性の針をほんの少しでも動かすことで、必ずプラスの結果を得ることができるのです。

原料と持続可能性の関係とは?

2それぞれの素材が、あるモデルの持続可能性にどのような影響を与えるかを理解するために、素材がボードのカーボンフットプリントに占めるCO2排出量の割合を算出しました。以下の表は、その結果の詳細です。

このデータを見て明確なのは、エポキシレジン、サイドウォール、ファイバーグラス、そしてベース素材がスノーボードの持続可能性に影響していることです。エポキシとサイドウォールが大きく関わっていることから、私たちは自然由来のエポキシとリサイクルサイドウォールを採用し、その重要性を実感しました。

材料や素材がスノーボードの持続可能性に大きく関わっていることから、私たちはJones Snowboardsが使用する全ての原料の持続可能性を向上する努力をしています。シーズンごとに必要な原材料をすべて生産すると、年間のCO2排出量全体の66%を占めます。そのうち29%をバイオベースのエポキシ樹脂が占めています。

1本のボードにおけるカーボンフットプリントを算出すると、Jones Snowboardsのソリッドボードは平均して15.5kg、そしてスプリットボードは19kgの二酸化炭素を排出しています。この二つの差は、使用されるエッジとインサートの量に関係してきます。

二酸化炭素と素材の関係性

それぞれのモデルにおける二酸化炭素排出量に大きな差がないと思われますが、ポイントはそこではありません。ベース、サイドウォール、エッジ、ファイバーグラス、トップシート、ウッドコア、エポキシの各素材は全てのスノーボードにおいて不可欠な材料であり、スノーボード1本におけるカーボンフットプリントの90%を占めています。残る10%はカーボンストリンガーやトップシートのグラフィックなど、各モデルの特別な素材となっています。

全てのボードにおける各素材が如何にして環境インパクトを与えているかを算出しました。以下はそのチャートになります。

チャート上で占める割合が大きければ大きいほど、この先の未来においてその素材に注目し、持続可能性の高い素材にシフトするべきであることが明らかになりました。2019年に全てのレジンを石油由来から植物由来にシフトした事はその大きな一歩となりました。しかしそのレジンもまた更なる二酸化炭素削減の課題であり、使用する量を少なくする必要があります。

またファイバーグラスに代わる持続可能な素材を見つけることもこれからの大きな課題です。持続可能なファイバー素材は、さまざまな問題解決への鍵となるでしょう。私たちは常に新造材の探求に全力を尽くしています。


製造工程における環境インパクトとは?

素材とスノーボードの持続可能性の関係性を理解した上で、次に重要なのはスノーボードの製造工程に関する持続可能性になります。その結果、ドバイにあるSWSの工場でスノーボードを組み立てることにより、地球上の他の場所で組み立てるのと比べ、製品全体のCO2排出量おける影響は、素材そのものの影響に比べて最小限であることがわかりました。

製造工程は、スノーボード全体の 二酸化炭素排出量の僅か7%に過ぎません。

それに比べると、スノーボードのカーボンフットプリントにおいて原材料の占める割合は66%です。

SWSの持つ長年の経験と最新鋭の技術や製造マシーン、そして職人気質は工場の持続可能性に大きな影響を持っており、そのため製造工程が与える環境への影響も最小限に留まっています。

2020年5月、SWSは工場の電力源を100%太陽光へとシフトしました。これは持続可能なスノーボード製造への大きな一歩となりました。太陽光発電システムを稼働させる以前は、一般的なドバイの電力会社と契約しており、向上全体のカーボンフットプリントにおける35%を占めていました。太陽光発電にシフトすることにより、1年間におけるカーボンフットプリントは6%まで削減されました。これは年間350トンもの二酸化炭素を削減することになります。

工場はできる限り最小限の電力で稼働できるようにデザインされています。製造エリアの多くには天窓が設置され、電力を使わず自然光を活用しています。また全ての電球にLEDを採用しています。

SWSの使用するボードプレス機や他の機材は業界でも最新鋭であり、消費電力も最小限に抑えられています。ボードプレスに欠かせない熱を製造するボイラーは、ドバイの温暖な気候と太陽を最大限活用することのできる工場の屋上に設置されています。これはこの工場で最も注目すべき点でもあります。

キッチンやトイレの排水もタンクに溜め、フィルターを通した上で工場の外に設けられた庭園に使用されます。SWSは水資源の利用に真剣に取り組んでおり、その結果としてスノーボードのカーボンフットプリントに貢献しています。

SWSの使用するボードプレス機や他の機材は業界でも最新鋭であり、消費電力も最小限に抑えられています。ボードプレスに欠かせない熱を製造するボイラーは、ドバイの温暖な気候と太陽を最大限活用することのできる工場の屋上に設置されています。これはこの工場で最も注目すべき点でもあります。

SWSにおけるスノーボード製造では最小限の水を使い、その排水は工場内の循環システムにより再利用されています。最も水を使うとされるプレスとベース研磨の工程でこの循環システムを活用しています。

キッチンやトイレの排水もタンクに溜め、フィルターを通した上で工場の外に設けられた庭園に使用されます。SWSは水資源の利用に真剣に取り組んでおり、その結果としてスノーボードのカーボンフットプリントに貢献しています。

物作りは常にゴミを排出します。SWSは資源の再利用とゴミの廃棄に最大限の注意を払っています。工場では厳しいリサイクルルールが設けられ、再利用可能な資源に関しては最大限活用することを心がけています。

ウッドコアを製造する過程で出た木屑は無駄なく集められ、リサイクル業者へと引き渡されます。その木屑は燃料へと転換され、ディーゼルエンジンで稼働しているボイラーなどの代替案として期待されています。この資源の再利用や徹底したゴミの管理により、製造工程におけるカーボンフットプリントは最小限に留まっています。排出されるゴミを最小限にとどめ、その処理には最低限のエネルギーを使う。リサイクルされる資源が多いこともその理由です。

Photo – Andrew Miller

これら全てを可能にしているのは、情熱に溢れた人々である。

大量生産されるスノーボードの複雑な製造工程を効率的に管理できるのは、設備の良さだけではありません。SWSの経営陣と工場スタッフの才能や専門知識こそが、工場をこれほど効率的に運営できる本当の理由です。会社のオーナーからエンジニア、生産担当者まで、SWSの従業員全員が、生産を可能な限りスムーズに、そして持続的に行われることに情熱を燃やしています。

スノーボードの製造に貢献しているすべての素晴らしい人々を意識的にサポートするため、私たちはサプライヤーが従業員をどのように扱うかについてのガイドラインを定めた強力な行動規範(CoC)文書を作成しました。この行動規範は、工場の従業員に公正で安全な労働条件を保証し、差別から保護し、さらにサプライヤーが周囲の地域環境をどのように扱うかを義務づけています。行動規範についての詳細はこちらをご覧ください。

次に、私たちの作るボードにストラップインした時、また新しい光の中でそのボードを見ることができるかもしれません。スノーボードに使われている素材の多くが、そのボードが持つカーボンフットプリントに大きく影響しています。だからこそ、その素材を大切に扱い、1本のスノーボードをより長く乗り続ける事で、あなたのスノーボードライフはより持続可能なものとなるでしょう。また日常で使う消費を減らすことも、自分たちのカーボンフットプリントを削減する大きな一歩となるでしょう。

次回はスノーボードを作る上での原料がどのように工場に運ばれ、生産されたスノーボードがどのように世界中に広まるかを考え、そのカーボンフットプリントに注目したいと思います。